税理士 吉田宏次のブログ
知の巨人逝く
nisibe

週末、偶然目にしたyahoo画面ツイート欄の第一位。
「西部邁、多摩川、入水自殺」
驚きと同時に悲しみ、寂しさ・・・。

数年前から、土曜朝のレギュラー番組時には手袋着用。
時として覇気がなく、体調が悪そうでした。

昨年末、隔月刊誌『表現者』の編集長を後進に譲り、そしてこの最後の著作。

象は死期を悟ると群れから離れていくといいますが、まさに寿命を察したかのような行動。
しかし、まさか、自ら命を絶つとは…。

年末のネット番組で自殺をほのめかしていたとの情報から、YouTubeで見たところ、10/22が当初の決行予定日であったようです。
発売日から推測するに本作を遺書代わりに考えていたのか。
読み返すと、あとがきに、私的振る舞いの予定日と選挙日が重なってしまったとも記されています。

死の前日21日放映番組での「言論は虚しい。」の発言。
西部氏の尊崇する保守思想家福田恆存の言葉ですが、この一言が、近年の西部氏の心境を物語っているように感じます。

西部氏曰く「保守とは、綱渡りである。」
急速な歩みでは、綱から落ちてしまうので、一歩一歩漸進的に歩む。
過去の伝統習慣を踏襲することをベースに、変えるべきは徐々に変えていく姿勢。

小泉政権ぐらいからでしょうか?
改革という言葉が政治の世界に始まり、経営の世界にも波及し、ウケの良い言葉として扱われるようになりましたが、保守という観点からは、改革を否定はしないものの急激な改革は避けるという立場。

保守思想をベースとしつつ、近年は各論として

●行き過ぎた文明への危惧(反スマホ)
●経済だけ詳しい学者が、経済政策を語るな(反専門化)
●自主防衛(反対米従属)

というようなことを訴えていました。

評論家は、星の数ほど存在すれど、確とした思想を持った評論家は少ない。

保守思想の雄、西部邁による、西部邁らしい最期。

ご冥福をお祈りいたします。


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今年の一本
邦画では、あの佐村河内氏のその後を追った『FAKE』。
あれ?ひょっとして新垣氏の方がFAKEであったのか?
とも思える内容でしたが、映画というよりドキュメント番組という感じであったので、洋画より今年の一本。

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自爆テロを実行しようとする組織のアジトをドローンが捉える。
そのアジトの前で、少女が自家製パンを売りはじめた。

アジトを爆破すれば、少女の生存確率は低いという中、遠く離れた会議室からドローンが映し出す映像を見ている諜報機関、政治家、そしてハワイの軍施設で待機している発射ボタンを押す軍人。

少女の命を犠牲にしてもテロを食い止めるべきか?
多くの被害者を出しても少女の命を優先すべきか?

一時期流行のサンデル教授の正義とは?を想起しましたが、撃つか撃たぬかを巡っての緊迫する場面展開に、気づいた時には、私もその決断する一員になっていました。

あなたならどうする?ということが問われる一本。
今年の一枚
洋楽邦楽よりそれぞれ一枚



MD
既にCD版では聴いておりましたが、レコードで聴きたかった一枚。
アルバム中の『It Never Enterd My Mind』は、私にとって、マイルスデイビスNO1を超えて、ジャズのNO1。
その曲をレコードで聴ける幸せ。

白洲次郎の戒名いらずではないですが、私の葬儀は、お経いらずでこの曲をひたすら流して欲しい。
墓場まで持っていきたい一枚。



LN
今年は、紅白出場決定の竹原ピストルを良く聴きましたが、既に紹介済なので、

高校時代、後ろの席の和田君から薦められた和製パンクバンド『ラフインノーズ』。
ふと思い出し、Amazonでゲット。
若かりし頃、カセットテープが擦り切れるぐらい何百回も聴いた一枚。

歳をとるにつれ、クラシックやジャズなど比較的大人しめの音楽を聴くようになってきました。

が!パンクを聴きたい夜もある…


今年の一冊
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読みたてのほやほやの作品。

文庫の帯も強烈ですが、どの書店も、目立つPOPで宣伝していたので、そこまでプッシュするならと読んでみたところ、面白い、巧い、そして、上下巻で1000P近くの大作ですが、読みやすい。

著者太田愛は、ドラマ『相棒』等の脚本家。
百田尚樹のような放送作家の小説も読みやすいですが、脚本家の書く小説も読みやすい。

内容としては、ある通り魔事件を発端にその裏に渦巻く陰謀が推理小説風に展開。

年末に来て、久々面白い作品に巡りあえました。


流行語大賞
スケジュールの都合上、昼食を朝に前倒しで摂る際に利用する事務所近くの定食チェーン。

近くに民泊施設があるようで、最近、早朝、店内で外国人観光客を見かけるようになりました。

ある時、タッチパネル券売機前でたじろぐ欧米系女性2人組。

そこへ、ルックスも元気溌剌な感じも、綾戸智絵そっくりの初老の女性店員が助けに。

二人組のリクエストは、何と納豆。

店員さん「Oh! NATTO!」リアクションも綾戸智恵風だ。

しかし、本当に納豆大丈夫?と思ったのか、発せられた言葉は、

「ネバネバビーンズOK?」

私はその一言に、かき混ぜていた生卵を椀から飛ばしてしまう。

私の中での流行語大賞は、断トツ『ネバネバビーンズ』