税理士 吉田宏次のブログ
一括償却資産
“一括償却資産”お客様との間で誤解を招く専門用語です。

一括償却資産=取得価額20万円未満の資産につき、3年間で均等償却する減価償却資産。

10万円未満については、そもそも、資産計上しなくて良い。
30万円未満の資産については、中小企業や青色申告事業者の少額減価償却資産の特例により一括で費用計上可能。

年明け県や都に提出する償却資産の申告では、
一括償却資産は、償却資産に含めなくてよいが、30万円未満の少額減価償却資産の特例を適用したものは、償却資産に含める。

以上、税法上の取り扱い。

で、本題ですが、一括償却資産が、一括で償却できない。
(=全額費用計上でなく3年で償却)

お客様と話す際は、「一括で償却できない、一括償却資産ですが…」とわざわざことわりをいれないと誤解が生じますが、恐らく、このネーミングをした官僚は、“一括”を“償却”でなく、“資産”にかけたかったのでしょう。
つまり、「20万円未満の資産を一括して(=まとめて)3年で償却しますよ。」という意味での一括償却資産のネーミングでしょうが、“一括”の修飾語は、まず、近くの“償却”にかけるのが、普通の読み方。

日本語は難しいが、とりわけ難解な税法に携わる立法者は、誰もが解釈でき、誤解を招かないような文を作成していただきたい。

一括償却資産について言えば、文法上は、“償却一括資産”の方が正解で、格好つけなければ、“3年償却資産”のネーミングの方がわかりやすいでしょう。

たまたま最近『日本語の作文技術』(本多勝一著)を読んでいたところ。

著者は、朝日新聞記者時代、百人切りの虚報で裁判の被告になるなど、記者としては悪名をなしておりますが、この著作は、日本語に関する実務的な文法書として名高い。
現国の試験で、この本が出題されることもあるようですが、今更ながら、読んで、なるほどと思うことの多い名著です。

税法の立法者は、是非、この本を読んでいただきたい。
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