税理士 吉田宏次のブログ
都合の悪い真実
先日、同業者のセミナーに参加しました。

講師は、たまたま、私が20年程前に在籍した資産税専門事務所の出身。
出身校も同じで、年も近く、何となく親近感がわきましたが、相続税対策の事例につき、何点か挙げ、問題点を鋭く指摘。

その1つが、銀行が好んで提案する持株会社設立。

会社オーナーが、持株会社(後継者が株主のパターン)に株を売却。
銀行は、株の買取資金として、持ち株会社に融資。

オーナーとしては、株がキャッシュ(将来の相続納税資金)に変化。
銀行は、持株会社への融資、オーナーに渡った資金の運用などでビジネスが広がる。
銀行にとって、世に言う、一粒で二度美味しい提案。
両者Win-Winな案に見えますが…

相続が発生すれば、株は財産評価基本通達に基づく相続税評価。
では、オーナーが会社へ売却する際、この相続税評価でOK?
いえいえ、税務上問題ない株価は、所得税法、法人税法上の株価。
この所得・法人税法上の株価は、相続税評価に準じたものですが、不動産を路線価でなく、時価で評価する等の相違点があり、所得・法人税法上の株価>相続税法上の株価となることも多々。

この評価方法の違いにより、相続税評価1億の株が、持株会社への売却により、2億のキャッシュに化けるなんてこともあり得るでしょう。
オーナーとしては、キャッシュ増=相続税増。
一方、持株会社は、配当で借入れを返すことになりますが、配当がストップしたら?
また、オーナー株の売却益に対しては、2割の所得税・住民税。

そうした、諸々を考えると持株会社なんて作らなければ・・・というケースもあります。

こうした銀行の提案書の最後には「詳細は、税理士にご相談ください。」のコメント。

講師曰く「提案型営業においては、基本的に嘘は言わず、真実しかいわない。しかし、その真実は、提案書にとって都合の良い真実のみで、都合の悪い真実はあえて言わない。」

確かに、おっしゃるとおり。

我々税理士の使命は、都合の悪い真実も伝えた上で、お客様に選択いただくこと。

そこを怠ると裁判官により、税理士としての死刑宣告を受けることになる。






スポンサーサイト
コメント
コメント
コメントの投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
トラックバック URL
http://2330143.blog122.fc2.com/tb.php/604-5c5b0d4d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
トラックバック